木工旋盤を始めて、最初に「これは買ってよかった」と実感する道具がチャックです。そして一度手にすれば、旋盤本体より長く使い続けることになります。
VICMARC VM100 は、オーストラリアの Vicmarc 社が作る4爪スクロールチャック。同社のスタンダードサイズであり、国内の旋盤ユーザーにとって最も現実的な選択肢です。
VM100 と VM120、どちらを選ぶか
当店では VM100 と VM120 の2サイズを扱っています。判断の軸は、お使いの旋盤の振り(センター高)と、主に挽く作品の大きさです。
- VM100:卓上旋盤~大型旋盤で使える標準サイズ。ボウル・器を中心に幅広く挽く方に。最初の1台として最も選ばれています
- VM120:大型旋盤で、大径ボウルや大皿を主力にする方に。より大きなジョーが装着できます
迷われたら VM100 をおすすめします。卓上旋盤であれば過不足なく、ジョーの選択肢も豊富で、後から用途を広げやすいためです。VM120 が必要になるのは、直径30cmを超える作品を挽く場合と考えてください。
特徴
1. 可動域が、他社チャックの約2倍

VM100 の最大の特長がこれです。標準ジョーでの可動域は次のとおり。
- はさむ(クランプ):直径 31mm 〜 72mm
- つっぱり(エキスパンション):直径 45mm 〜 86mm
いずれも 41mm の可動幅を持ちます。一般的なチャックの可動幅はこの半分程度で、径が変わるたびにジョーを付け替える必要が出てきます。
VM100 なら、ほぞの径が多少ばらついても同じジョーのまま対応できる。ジョーの交換作業という手間が省け、作業のテンポが途切れません。
2. 掴み穴を小さくできるから、デザインの自由度が上がる

つっぱり保持の下限が 45mm と小さいことは、作品の設計に直結します。
掴むための穴(リセス)は、作品にとって本来不要な要素です。これが大きいほど、高台のデザインは制約を受けます。45mm から掴めるということは、より小さな高台で、より繊細な形を狙えるということ。これまで諦めていた形状が、選択肢に入ってきます。
3. バツグンの精度
Vicmarc のジョーは、一体の状態で削り出したうえで4つに切り分け、1〜4の連番を刻印して出荷されます。組み合わせが固定されたマッチドセットであるため、組み付けたときに真円が出る。これが「振れない」という評価の根拠です。
そしてスクロール部の精度が高いため、この状態が長く保たれます。チャックは消耗品ではなく、正しく手入れをすれば何十年も使える道具です。
4. 背面完全密閉。精度が落ちない構造
チャックの動作が渋くなる原因の多くは、スクロール部への木屑の侵入です。グリスに削りカスが混ざり、固着し、動きが重くなる。分解清掃が必要になります。
VM100 は背面が完全に密閉されており、粉塵や削りカスがスクロールや可動部に入り込みません。滑らかな動作が長く保たれます。
背面の蓋にはインデックスが刻まれているため、旋盤本体に割り出し機能がない場合も、等分割の目印として使えます。
5. ジョーを替えれば、用途が広がる
チャック本体は一度きりの買い物ですが、ジョーは後から追加できます。VM100 には豊富なジョーが用意されており、作風の変化に合わせて拡張していけます。
たとえばダブテールジョー100mmは、大きな作品作りに重宝します。ピンジョーは、小さな作品作りには欠かせません。さらには、ステップジョーは、オーストラリアの巨匠リチャード・ラファンが設計した3段構造のジョーで、ほぞ径 42.5mm 〜 123.7mm をカバーします。標準ジョーの上限 72mm を大きく超えるため、より大きな作品や、複数のボウルをまとめて荒挽きする作業に対応できるようになります。
こんな方に
- 初めてスクロールチャックを導入する方
- ボウルや器を中心に、幅広いサイズを挽く方
- ジョーの付け替え回数を減らしたい方
- 小さな高台で、繊細なデザインを狙いたい方
- 長く使える道具に投資したい方
セット内容
チャック本体
スタンダードジョー
ウッドスクリュー
8mm Tハンドル レンチ
3mm Tハンドルレンチ
インサート
Vicmarc について
オーストラリア・クイーンズランドを拠点に、1984年から木工旋盤とアクセサリーを製造してきた家族経営のメーカー。素材の選定から最新のCNC加工機による高精度加工まで一貫して自社で行い、世界中のプロターナーに支持されています。
ツバキラボ代表の和田は、オーストラリア・ブリスベンにある Vicmarc の工場を実際に訪問しました。そこで見たのは、古き良き機械と最新鋭の機械の両方を使いこなしながら、常により良いものづくりを目指す会社の姿でした。クオリティの高いものを作るために日本製の工作機械を導入しています。そのクラフトマンシップをぜひお読みください。

よくある質問
インサートは別売ですか?
本商品にはインサートを含んでいます。お持ちの旋盤の主軸径を確かめたうえ、該当するインサートを選択してください。
後からジョーを買い足せますか?
さまざまなジョーを取り揃えています。
こちらからご覧ください。https://tools.tsubakilab.jp/product-category/chuck/jaw/
他社のジョーは使えますか?
Vicmarc社のジョーのみ対応しています。
メンテナンスはどのくらいの頻度で行うべきですか?
メンテナンスは1年に1度は行うといいでしょう。
またスクロールの動きが鈍くなってきたなど、体感で感じるようになった場合は、早急にメンテナンスをしたほうが良いです。
チャックのメンテナンス方法はこちらのYoutube動画で解説しています。

ゴリおやじ –
早々に使用しましたがフラットワッシャーが無く自作してVIC240に装着しましたが取り外すのに苦労するほど精度がいいように感じました。NOVAより楽に締め付けができます。
TSUBAKI LAB TOOLs –
ゴリおやじ様
いつもツバキラボツールズをご利用頂き、またレビューもご投稿下さりありがとうございます。NOVA社のものより締め付けが楽にできたとのこと、大変嬉しく思います。他メーカーとの比較を自社で全て網羅するのは難しいことですので、頂いた感想や使い心地のご意見は、私どもも大変参考になります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
みつ3 –
しっかりとした保持力ですね。片手で開閉出来るのは楽で良いです。掴みしろの可動域も広くて汎用性もあるので満足しています。
TSUBAKI LAB TOOLs –
みつ3様
いつもツバキラボツールズをご利用頂き、ありがとうございます。事前にご相談頂いておりましたお困りごとを解決できたようで、大変嬉しく思います。また、レビュー投稿頂いたことで、ますます自信をもってみなさまにお勧めすることができます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
ツッチー –
チャックハンドル1本で材料を把持できるのと、精度が良いとの事で購入しました。今まで使用していた物(多分中華製)は、2本のハンドルで締め付けるタイプ(2枚のプレートが回転する)のため、材料を片手で持ちながら締め付けるのは大変でした。このVICMARCのチャックはハンドル1本で締められるので大変楽です。また、把持力も今までの物に比べ3倍くらい強く、材料が外れる心配もありません。また、回転精度も良く、今までの物に比べ振動が少ないので快適に使用出来ています。
TSUBAKI LAB TOOLs –
ツッチー様
この度のご注文、また大変嬉しいレビュー投稿、ありがとうございます。
作業が早速快適にはかどっていらっしゃるとお聞きし、とても嬉しい思いです。これからも自信をもってお客様にお勧めできる商品を取り揃えて参りたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。