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木工旋盤の刃物を鋼材から選ぶ ― M2・M42・粉末冶金・超硬とクライオ/窒化処理

木工旋盤 刃物 バイト

木工旋盤の刃物には「M2」「M42」「粉末冶金」「超硬」、さらには「クライオ処理」「窒化処理」などあります。刃物のカタログには当たり前のように並んでいますが、それぞれが何者で、削り心地にどう効いてくるのかは、あまり説明されません。

この記事では、鋼の中身がどうなっているのかというところから始め、それぞれの剛材や処理の特徴を詳しく解説します。この記事を読めば「自分の作るものには、どの刃物が適しているのか」を自分で判断できるようになり、刃物選びが楽になります

前提:鋼は「均質な金属」ではない

刃物鋼の話をするとき、多くの人が「硬い鋼/軟らかい鋼」という一本の軸で考えます。ところが実際の刃物鋼は、2つの別のものが混ざった複合材で、その配合によって大きく性質が異なる金属なのです。

  • マトリックス(母材)――焼き入れされた鉄の地の部分。粘りを担当します
  • カーバイド(炭化物)――そこに埋まっている、非常に硬い粒。摩耗に耐える役目を担います

コンクリートを想像するとわかりやすいと思います。セメント(マトリックス)の中に砂利(炭化物)が埋まっている。刃物鋼もこれと同じ構造です。

この見方をすると、刃物の3つの性質がきれいに説明できます。

  • 刃持ち=炭化物の硬さで決まる。硬い粒がたくさんあるほど摩耗しにくい
  • 鋭さの到達点=炭化物の大きさで決まる。刃先の凹凸は炭化物より細かくならないので、大きな粒が入っていると刃先はそこまでしか研げない
  • 靭性(欠けにくさ)=炭化物が大きく、偏っているほど低くなる。大きな粒が割れの起点になるからです

ここに、刃物鋼の永遠のジレンマがあります。刃持ちを上げようと炭化物を増やすと、粒が大きくなって、鋭さも靭性も落ちるということが起こります。

炭化物にも種類がある

埋まっている炭化物は、何と結合したかで硬さが違います。

  • M6C系(モリブデン・タングステンの炭化物)――そこそこ硬い。ハイス鋼の主役
  • WC(タングステン炭化物)――かなり硬い。超硬の主成分
  • VC(バナジウム炭化物)――最も硬い。ごく少量でも耐摩耗性を大きく上げます

後で出てくる粉末冶金(ふんまつやきん)の話も、CBNホイールが必要になる理由も、すべてこの「VCが飛び抜けて硬い」という事実から出てきます。

刃物は2つの軸で決まる

ここが、この記事のいちばん大事なところです。刃物の性能は、2つの軸で決まっています。

軸1:鋼材 ― 何でできているか

  • 成分(コバルトを入れる、バナジウムを増やす)
  • 製法(溶かして鍛えるか、粉から固めるか)
  • M2 / M42 / 粉末冶金 / 超硬

軸2:処理 ― どう仕上げたか

  • 同じ鋼材の性能を、後工程で引き上げる
  • 芯まで変えるか、表面だけ変えるか
  • 無処理 / クライオ処理 / 窒化処理

だから「M2かM42か」と「クライオか窒化か」は、並列に比べるものではありません。実際の製品は、この2軸の組み合わせでできています。表にすると、こうなります。

鋼材と処理の組み合わせマトリクス 縦軸に無処理・クライオ処理・窒化処理、横軸にM2・M42・粉末冶金鋼を取ると、実際の製品がどの組み合わせにあたるかがわかる。市場で最も多いのはM2の無処理。 M2 M42 粉末冶金鋼 無処理 市場の大半 一般的な HSSガウジ M42ガウジ PM鋼ガウジ クライオ処理 Crown Cryogenic Crown Razor Edge 窒化処理 Robust 超硬(替刃式)は研がずに使う道具なので、この表の外になります
金色の枠がツバキラボで扱っている組み合わせです。市場に最も多く流通しているのは、左上の「M2・無処理」です。

ここで見落とされがちなのが、いちばん上の「無処理」の行です。処理は、するかしないかも含めた選択肢なのですが、カタログにはたいてい「した場合」しか書かれていません。

まずは軸1、鋼材そのものから順に見ていきましょう。

【鋼材編】M2 ハイス鋼

木工旋盤の刃物として、最も広く使われているのがM2ハイス鋼です。日本のJIS規格ではSKH51がほぼ同等品にあたります。

成分はおおよそ、タングステン6%、モリブデン5%、クロム4%、バナジウム2%、炭素0.85%前後。焼き入れ後の硬さはHRC 62〜65あたりです。炭化物はM6C系が主体で、少量のVCが混じります。

  • 研ぎやすい。普通のアルミナ砥石でも十分に形が出せます
  • 最も鋭い刃がつく。炭化物が細かめなので、刃先を薄く追い込めます
  • 粘りがある。キャッチしても欠けにくい
  • 安く、手に入りやすい
「HSS」とだけ書かれた刃物について

HSS(ハイスピードスチール)は総称であって、特定の鋼種を指す言葉ではありません。海外のフォーラムでは「HSSという表示は乱用されている。クロムとモリブデンをひとつまみ入れただけの高炭素鋼が『HSS』として売られていることもある」という指摘も出ています。これは一時期、ノーブランドで質の悪いハイス鋼刃物がHSSという表記をして安価に出回ったことに対する警鐘でした。

同じM2でも、成分の許容幅や熱処理の条件で性能はかなり変わります。信頼できるメーカーを選ぶこと自体が、鋼種を選ぶのと同じくらい重要だということです。

【鋼材編】M42 コバルトハイス

M42は、ざっくり言えば「M2にコバルトを約8%加えたもの」です。正確にはモリブデンを大幅に増やし(9.5%前後)、タングステンを減らした別配合ですが、使う側の理解としてはこれで十分です。硬さはHRC 66〜68と、M2より明確に上がります。

刃持ちと鋭さを、両取りする

M42の評価をひとことで言えば、「M2の鋭さをほとんど損なわずに、刃持ちを上げた鋼」です。Craft Supplies USAも、M42を「粉末冶金鋼の刃持ちと、M2の鋭い刃を兼ね備えた鋼」と位置づけ、近年ターナーの間で急速に支持を広げているとしています。

なぜ両取りができるのか。理由はコバルトが炭化物を作らないことにあります。

この記事の前提として書いたとおり、鋭さの到達点は炭化物の大きさで決まります。粉末冶金は硬い炭化物を「増やす」ことで刃持ちを稼ぐので、その代償として鋭さの上限が下がる。ところがM42のコバルトは炭化物を作らず、マトリックス(母材)そのものを強くします。炭化物の構成が変わらないので、鋭さの上限もほとんど下がらないわけです。

つまりM42は、「炭化物を増やさずに刃持ちを上げる」という、粉末冶金とはまったく別のアプローチでたどり着いた解答です。木工旋盤のように刃の鋭さが仕上がりに直結する用途では、このほうが理屈に合っています。

  • 刃持ちが明らかに長い。使用者の評価は一貫して高く、研ぎ場に行く回数がはっきり減ります
  • 鋭さの犠牲が小さい。M2にわずかに劣る程度で、粉末冶金鋼のような差にはなりません
  • 研ぎ方は変わりません。特別な砥石を用意しなくても研げます

知っておきたいこと

いいことばかりではありません。M42を選ぶなら、次の2点は把握しておいてください。

アルミナ系砥石では研ぎ直しに時間がかかります。硬いということは、削り落とすのにも時間がかかるということです。形状をゼロから作り直そうとすると、M2の感覚では終わりません。裏を返せば、この点でこそCBNホイールの価値が大きくなります(後述します)。

靭性はM2より落ちます。硬さと粘りは、基本的にトレードオフの関係にあります。キャッチしたときの欠けやすさはM2より上がるので、大きく突き出す場面や、荒れた材の荒取りでは注意が要ります。

うんちく ― M42はもともと、金属を削るための鋼です

コバルトが引き上げるのは「赤熱硬さ(red hardness)」――刃先が高温になっても軟化しない性質です。M42は、刃先が真っ赤になるような高速金属切削のために生まれた鋼でした。

木を削るとき、刃先は赤熱しません。つまりM42が木工旋盤で効いているのは、赤熱硬さそのものではなく、硬さの上昇がもたらす耐摩耗性のほうだということになります。由来と用途がずれているぶん、「金属加工でのカタログ性能をそのまま木工に持ち込むのは正しくない」という慎重な意見も海外のフォーラムにはあります。

ただし、実際に使ったターナーの評価は一貫して「刃持ちが長い」。効いている理屈はメーカーの謳い文句とは少し違うけれども、木工でも確かに効いている――これが現在の共通認識です。

なお、この記事の後半で扱うクライオ処理を組み合わせたM42の刃物もあります。硬さと刃持ちをさらに一段引き上げる組み合わせです。

【鋼材編】粉末冶金鋼

M2もM42も、溶かした鋼を鋳込んで鍛える従来製法で作られます。粉末冶金(PM)は、ここを根本から変えました。

溶けた鋼を高圧のガスで吹き飛ばして微細な粉にし、その粉を型に詰めて高温高圧で押し固める。それだけの違いですが、結果はまるで変わります。

従来製法と粉末冶金の組織の違い 従来製法では炭化物が大きく偏って分布するが、粉末冶金では同じ量の炭化物が細かく均一に分散する。 従来製法(溶解・鍛造) 粒が大きく、偏る 割れの起点になり、刃先も荒れる 粉末冶金(PM) 細かく、均一 たくさん入れても脆くならない
金色の粒が炭化物、灰色が母材です。含まれる炭化物の総量は同じでも、粒の大きさと分布が変わると、刃物としての性質はまるで変わります。

従来製法では、バナジウムを4〜5%より多く入れられませんでした。それ以上入れると炭化物が巨大になり、鍛造の段階で割れてしまって、そもそも製造できなかったのです。

粉末冶金なら、炭化物が細かいまま均一に散るので、この壁を突破できます。代表格のCPM 10V(木工旋盤では「V10」と呼ばれます)は、バナジウム約9.8%、炭素約2.5%。ほかにASP 2030(V約3%・Co約8.5%)、ASP 2060(V約6.5%・Co約10.5%)、M4などがあります。

Craft Supplies USAは、PM鋼はM2の5〜6倍の刃持ちとしています。ただし同時に、M2ほど極限まで鋭くは研げないため、仕上げよりも荒取り向きだ、とも書いています。前提として説明した「鋭さの到達点は炭化物の大きさで決まる」が、そのまま出ているわけです。

PM鋼が求められる場面、そうでない場面

ベテランターナーのシンディ・ドローズダ氏は、PM鋼の差が最もはっきり出るのはネガティブレイクスクレイパーだと述べています。鋭さを追い込む必要がなく、ひたすら摩耗との勝負になる道具だからでしょう。

逆に「PMが本領を発揮するのは乾いたきれいな材のとき。砂を噛んだ樹皮まわりや、酸性の樹液で刃が腐食するような材では長持ちしないので、荒取り用にPMを買うのは経済的に割に合わない」という実務的な指摘もあります。生木の荒取りが多い方は、投資回収が難しいかもしれません。

【鋼材編】超硬(替刃式)

超硬合金は、タングステン炭化物(WC)の粒を、コバルトで固めた焼結体です。工具用のものでWCが90%前後、コバルトが6〜10%程度。硬さは1200〜1800HV、微粒のものでは2000HVを超えます。

ここまで読まれた方は、もうお気づきかもしれません。これは「炭化物でできた材料」です。ハイス鋼が「母材の中に炭化物が散っている」のに対し、超硬は「炭化物の隙間をコバルトが埋めている」。メインとサブが完全に逆転しているのです。

だから極端に硬く、極端に摩耗しにくい。そのかわり、粘りはほとんどありません。

厳密にはスクレーパーとして機能する刃物

木工旋盤で使われる超硬は、そのほとんどが替刃式(インサート)です。そして最も重要なポイントが平らなインサートを持つ超硬工具は、スクレイプ(引っ掻き)する道具(スクレーパー)です。刃を材に対してほぼ90度で当て、ベベルを擦りません。

使い方も、ガウジとはまったく別物になります。

  • 水平・平らに保つ。ガウジのように傾けたり、軸まわりに回したりしません
  • 回転軸の中心で当てる。あるいは柄をわずかに上げて、センターのやや下を切る
  • シャフトは重く太いものが多く、その重量がツールレストに工具を落ち着かせます

この「回転軸の高さで水平に置いて、まっすぐ押すだけ」という単純さが、超硬インサートの最大の強みです。ベベルを擦る感覚を身につけていなくても、その日から削れます。

替刃(インサート)の形と使い分け

用途特徴
四角
(ラフィング)
荒取り、外形の成形 15mm角前後。刃にわずかなRが付いており、材を速く落とせます
ダイヤ形
(ディテール)
細部、V溝、凸曲面の仕上げ 鋭い角が細かいところに入ります。側面の直線刃は凸曲面を整えるのに向きます

(ホロイング)
器の内側、凹曲面 角がないのでキャッチしにくく、曲面を滑らかにつなげます

超硬刃の利点

  • 研ぎが要らない。研ぎ場を持たなくても始められます
  • 刃先が長持ちする。硬い材や乾いた材に強い
  • 学習コストが低い。ベベルを擦る技術が不要
  • 荒取りが速く進む

超硬刃の弱点

  • 面が荒れやすい。繊維を切るのではなく引きちぎるため、とくに端木口で毟れます
  • サンディングの手間が増えます
  • 脆い。キャッチで欠けることがあります
  • ベベルによる支えがなく、刃の逃げ道が少ない

レジン・アクリルに最適な超硬

超硬インサートが本当に強いのは樹脂系の材料です。アクリル、ポリエステル、レジン。これらは研磨作用が高く、ハイス鋼の刃先をあっという間に鈍らせます。

レジンと木を組み合わせた作品や、アクリルのペンブランクを挽くなら、超硬刃は「あると便利」ではなく「これでないと厳しい」領域に入ってきます。

正しく理解したい2つの点

カップ型は別系統です。お椀状の刃を持つタイプはシアカット(せん断切削)をするように設計されていて、ベベルを擦ることもできます。この記事で説明しているのは、平らなインサートを使う一般的なスクレーパー型のほうです。

「超硬は研げない」も正確ではありません。ダイヤモンドホーンで刃の裏面(平らな面)を軽く磨くと、切れ味が戻って寿命が延びます。メーカー側も「切れ味が落ちたら簡単な研磨で復活する、あるいは交換する」という書き方をしています。四辺を使い切ったあとに、もう一段引き延ばせるということです。

【処理編】クライオ処理 ― 芯まで効く

ここからが軸2、後処理の話です。

クライオ処理(極低温処理)は、焼き入れ・焼き戻しをした刃物を、液体窒素で−185℃前後まで冷やす工程です。何が起きるのか。

残ったオーステナイトを、変えきる

鋼を焼き入れすると、軟らかいオーステナイトが硬いマルテンサイトに変わります。ただし、この変態は常温では完全には終わりません。変わりきらなかったオーステナイト(残留オーステナイト)が、必ずいくらか残ります。

そこを極低温まで持っていくと、変態が最後まで進みます。軟らかい部分が減り、硬い部分が増える。

さらにもうひとつ。この極低温でしか成長しない「イータ炭化物」と呼ばれる、極めて微細な炭化物が析出します。これが結晶と結晶のあいだを埋める充填材のように働き、組織全体を締めます。ゆっくりとしか育たないため非常に小さく、それが利点になります。

ここが重要 ― 成分は変わらない

クライオ処理は熱処理です。成分をいじるわけではありません。ここに、木工旋盤にとって大きな意味があります。

  • 粉末冶金は、硬い炭化物を「増やす」ことで刃持ちを上げる → 鋭さの上限が下がる
  • クライオは、炭化物の構成はそのままに、母材を作り込む → 鋭さの上限は下がらない

木工旋盤は、金属加工と違って刃の鋭さがそのまま仕上がりに出る世界です。だとすれば、鋭さを犠牲にせず刃持ちを稼げるクライオ処理は、この用途に理屈が合っています。Craft Supplies USAの鋼材比較でも、Cryo M2 はM2とは別の独立したカテゴリとして扱われています。

Crownの製品では、Cryogenic が M2 のクライオ処理、Razor Edge が M42 のクライオ処理にあたります。つまり「M2かM42か」を選んだうえで、どちらもクライオで底上げされている、という構成です。

数値は割り引いて読んでください

クライオ製品には「HRC 66〜69」「標準的なM42を大きく上回る」といった表記が見られます。ただし通常のM2は62〜65で、クライオで得られる硬さの上乗せはせいぜい1〜3ポイント程度です。69という数字は上限側の宣伝表現と見るのが妥当でしょう。

クライオ処理の効果自体は冶金学的に実在しますが、実用上どれだけの差になるかは学術的にも議論があります。PM鋼の「5〜6倍」のような話ではありません。「M2/M42の弱点を埋める処理」と捉えるのが、期待値として適切です。

【処理編】窒化処理 ― 表面だけが極端に硬い

Robustが採用する窒化処理は、クライオとはまったく別の考え方です。母材の芯はそのままで、表面だけを桁違いに硬くします。

母材の変質であり、コーティングではない

ここは誤解しやすい点ですが、窒化はメッキや被膜ではなく、窒素(と炭素)を金属の内部へ拡散させる処理です。母材そのものが変質するので、剥がれない・めくれない・欠け落ちない

処理温度はおおむね500〜570℃。ハイス鋼の焼き戻し温度と同等かそれ以下なので、芯の硬さは損なわれません。これが窒化の巧いところです。

Robustの数値で見ると、こうなります。

  • まずM2を機械加工し、HRC 62〜64に熱処理する
  • そのうえで窒化処理を行い、表面硬度を1880HV(HRC 75相当以上)まで引き上げる
  • 拡散層の深さは最大0.05mm

1880HVは、何と比べて硬いのか

数字だけ示されても、正直ピンときません。比較対象を並べてみます。

対象硬さの目安
M2の母材(HRC 62〜64)約750〜800HV
M6C炭化物(M2の耐摩耗性を担う粒)約1500HV
窒化層1880HV
WC炭化物(超硬の主成分)約2400HV

読み取れることが2つあります。ひとつは、母材の約2.4倍だということ。もうひとつは、その鋼自身に含まれる、どの炭化物よりも硬いということです。M2の耐摩耗性を担っているM6C炭化物(約1500HV)を上回っています。

そして超硬(WC)の約8割にあたります。つまり窒化処理とは、M2の粘りを保ったまま、表面だけを超硬に近い硬さにする処理だと言えます。

硬いと、刃先に何が起きるのか

そもそも、木を削っていて刃が切れなくなるのはなぜでしょうか。欠けるわけでも、溶けるわけでもありません。刃先が摩耗して、丸くなるからです。

研ぎたての刃先は、先端の半径が1ミクロンにも満たない鋭さです。これが削るうちに数ミクロンへと太っていく。太った先端は、もはや繊維を切らずに押しつぶすようになります。これが「切れなくなった」の正体です。端木口が毟れはじめるのも、サンディングの手間が増えていくのも、すべてここから来ています。

そして摩耗の進み方は、おおまかに硬さに反比例します(工学ではアーカードの法則として知られる考え方です)。単純に当てはめれば、硬さが2.4倍なら摩耗の速度は4割程度に落ちる計算になります。実際の刃先では微小な欠けも同時に起きるので比例どおりにはいきませんが、「倍以上長持ちする」という話だと理解して差し支えありません。

ここで注意しておきたいのは、1880HVという数字が意味しているのは「鋭さが失われるまでの時間が延びる」ことであって、「より鋭くなる」ことではないという点です。到達できる鋭さそのものは、あくまで母材であるM2のままです。前章のクライオ処理と同じで、処理が効くのは鋭さの高さではなく、鋭さの持続のほうだということになります。

クライオ処理と窒化処理の効き方の違い クライオ処理は素材全体の組織を改善するが、窒化処理は表面のごく薄い層だけを硬化させ、芯は元の硬さのまま残る。 クライオ処理 芯まで組織が変わる 全体が均一に強化される 何度研ぎ直しても 効果は変わらない 窒化処理 表面だけが硬くなる 芯はM2のまま HRC 62〜64 濃い層=窒化層(約0.05mm・1880HV) 研ぎ落とせば、そこは失われる ※窒化層の厚みは見やすさのため誇張しています。実際は素材の太さの1%にも満たない薄さです。
同じ「性能を上げる処理」でも、効き方はまったく違います。クライオは素材全体、窒化は表面のごく薄い層だけです。

0.05mmの層が、なぜ役に立つのか

ここで当然の疑問が出ます。「研いだら、その層はなくなるのでは?」

まっとうな疑問です。そして答えは「刃物の形状による」――ここがRobustの設計の巧妙なところです。

ガウジを思い出してください。ガウジを研ぐとき、削るのはベベル(先端の斜面)だけです。フルート(溝)の内側は研ぎません。そして切れ刃は、研いだベベルとフルートが交わる線です。

つまり――フルート側の窒化層が残っているかぎり、切れ刃そのものは窒化層の縁にある。何度研ぎ直しても、刃先は硬い層に支えられ続けます。

そしてもうひとつ、見逃せない効果があります。硬い側と軟らかい側とで、摩耗の速さが違うということです。

ガウジの刃先は、フルート側の窒化層(1880HV)と、研ぎ出したベベル面の母材(約750HV)が交わる線でできています。使っていくと、軟らかいベベル側のほうが先に減っていきます。硬い層が残り、その裏側が削れていく。すると刃先は「丸くなる」のではなく、薄い形を保ったまま後退していくことになります。

ネズミの前歯と同じ原理です。前面が硬いエナメル質、裏側が軟らかい象牙質でできているため、噛むほど裏側が先に減り、歯はいつまでもノミのような鋭い形を保ちます。窒化処理の本当の価値は、硬さそのものよりも、この「刃先の硬い側を残す構造」にあると言っていいと思います。

窒化層と刃先の関係 ガウジやスクレイパーは片面だけを研ぐため、残った面の窒化層が切れ刃を形づくる。両面を研ぐスキューでは切れ刃に窒化層が残らない。 ガウジ・スクレイパー 片面だけを研ぐ → 効く 刃先=窒化層の縁 研ぐ面 フルート側の窒化層は残るので、 研ぎ直しても刃先は硬いまま スキュー 両面を研ぐ → 効かない 刃先に窒化層なし 両側のベベルを研ぐため、 切れ刃の窒化層は削り落とされる
濃い色が窒化層です。窒化処理が効くかどうかは、鋼材ではなく刃物の研ぎ方の形状で決まります。

スクレイパーも同じ理屈です。下側のベベルだけを研げば、上面の窒化層は残ります。だから立てるバリも窒化層でできることになり、鋭い切れ味が得られるスクレーパーとなります。

そしてスキューには効きません。両側のベベルを研ぐので、切れ刃の窒化層は削り落とされてしまいます。これはRobust自身が明言していることで、「それでも十分に良い鋼だ」と正直に付け加えています。メーカーが自社製品の限界をはっきり言っているのは、信頼できる姿勢だと思います。

もうひとつの効果 ― 摩擦が減る

窒化処理には、硬さとは別の効果があります。表面の摩擦が下がるのです。

刃物の表面がなめらかで滑りがよくなると、切りくずの離れがよくなり、樹脂の付着も減ります。研ぎ味とは別のところで、使用感に効いてくる部分です。防錆にも多少寄与します。

研ぎやすさは変わりません

「表面が1880HVもあるなら研ぎにくいのでは」と思われるかもしれませんが、層が薄いので実際の研削感は普通のHSSと変わりません。Robust自身も「通常のHSSと同じように研げ、従来砥石でもCBNでも問題ない」としています。

後述する硬さの比較でも、窒化層1880HVは白アルミナ砥石(約2100HV)より軟らかい位置にあります。理屈のうえでも、アルミナ砥石で問題なく削れる硬さです。

【処理編】無処理 ― 市場の大半を占める

ここまでクライオ処理と窒化処理を見てきましたが、実際に流通している刃物の大半はどちらの処理もされていません

誤解のないように書いておくと、無処理が悪いわけではありません。しっかり作られたM2の無処理ガウジは、それだけで十分に良い道具です。この記事で述べてきた通り、切れ味や切削面の善し悪しを決めるのは刃の鋭さと当て方であって、処理の有無ではありません。

何も書かれていなければ、無処理

クライオも窒化も、追加の工程でありコストがかかります。やっているメーカーは、必ずそれを明記します。わざわざコストをかけたことを黙っている理由がないからです。つまり、商品になにも記載がなければ無処理ということになります。

商品説明の書き方読み取れること
「M2ハイス鋼・クライオ処理」
「窒化処理済みHSS」
鋼材と処理の両方が明示されている。いちばん安心できる状態
「M2ハイス鋼」
「M42コバルトハイス」
鋼種は分かる。処理については無処理と考えるのが妥当
「HSS」
「高速度鋼」のみ
鋼種すら分かりません。前に触れたとおりHSSは総称で、品質の幅が非常に大きい表示です
記載なし 判断材料がありません

剛材と処理は、買うときにしか選べません

ここが、鋼材や処理を検討するうえで実務的にいちばん重要な点かもしれません。

研ぎ方は後から変えられます。角度も、グラインドの形も、いつでも研ぎ直せます。柄も交換できます。ところが鋼材と処理だけは、買ったあとに変えられません。クライオも窒化も専門業者の設備が要る工程で、個人が刃物1本のために依頼するのは現実的ではないからです。

つまり、刃物を買うという行為のうち、後戻りできないのは「鋼材」と「処理」の2つだけということです。ここだけは、買う前に確認しておきたい点です。

無処理の刃物か、処理された刃物か?

無処理で十分な場合

  • 研ぎを練習している段階。形状出しでかなりの鋼材を減らします。ここに処理代を払う必要はありません
  • いろいろな形を試したいので、本数を揃えたい
  • 古いガウジをボトムフィーダーなどに作り替える用
  • そういうものだと割り切る

処理を選ぶ価値がある場合

  • 長く使う一本にすると決めているとき
  • 研ぎ場から離れた場所で作業することが多い
  • 研ぎで中断する回数を減らしたい
  • すでに研ぎが安定していて、刃物の性能差が体感できる段階

判断の目安は、処理の有無による価格差と、その刃物を何年使うつもりかを並べて考えることです。処理代は一度きりですが、刃持ちの差は使うたびに効いてきます。

ツバキラボの取り扱いについて

ツバキラボで扱っているハイス鋼の刃物は、すべてクライオ処理または窒化処理がされたものです。無処理の刃物は扱っていません。

安価なものを幅広く並べるより、買ったあとに後悔しないという判断軸で、迷わなくていい状態にしておきたいと考えているためです。商品ページには鋼材と処理を必ず明記していますので、比較検討の材料にしてください。

一覧比較

鋼材(軸1)

材質正体硬さの目安刃持ち鋭さの到達点靭性
M2
(SKH51相当)
従来製法のハイス鋼。M6C系炭化物が主体 HRC 62〜65 基準 最も鋭くできる 高い
M42 M2にコバルト約8%。母材そのものを強化 HRC 66〜68 M2より長い M2にわずかに劣る 低め
粉末冶金鋼 粉から焼き固めたハイス鋼。VCを大量に含む HRC 60〜66 M2の5〜6倍 M2に劣る 高い
超硬 鋼ではない。WCをコバルトで固めた焼結合金 1200〜1800HV 圧倒的に長い 刃を「作らない」 脆い

処理(軸2)

処理何をするか得られるメリット効く範囲注意点
無処理 焼き入れ・焼き戻しのみ。追加工程なし 価格がいちばん安い
・研ぎの練習で大きく減らしても惜しくない
・製品の選択肢がいちばん多い
刃持ちは鋼材そのままの性能。商品説明に記載がなければ、無処理と考えるのが妥当です
クライオ処理 −185℃まで冷却。残留オーステナイトを硬いマルテンサイトに変えきり、微細なイータ炭化物を析出させる ・硬さと耐摩耗性が上がり、刃持ちが伸びる
・炭化物を増やさないので鋭さの上限が下がらない
何度研ぎ直しても効果が続く
刃物の形状を選ばない。スキューにも効く
芯まで 効果の大きさは控えめ。粉末冶金のような桁の話ではありません。カタログの硬度値は上限側の表現のことがあります
窒化処理 窒素と炭素を表面に拡散させ、約0.05mmの硬化層を作る。コーティングではないので剥がれない ・表面が1880HV。刃先の摩耗に直接効く
摩擦が下がる。切りくずの離れがよく、樹脂が付きにくい
芯はM2のまま。粘りを失わない
・防錆にも寄与する
表面のみ
(約0.05mm)
片面だけを研ぐガウジ・スクレイパーでは刃先に残りますが、両面を研ぐスキューでは効きません

砥石が追いつかない、という問題

実務上、いちばん見落とされているのが研ぎの話です。

粉末冶金鋼を白アルミナ砥石で研いではいけません。正確には研げないわけではないのですが、性能を引き出せません。理由は単純で、アルミナがバナジウム炭化物より軟らかいからです。

炭化物・窒化層・砥粒の硬さ比較 白アルミナ砥石の硬さはタングステン炭化物やバナジウム炭化物より低く、CBNはすべてを大きく上回る。窒化層はアルミナより軟らかい。 ビッカース硬さの目安(HV) 母材(マルテンサイト) 約900 M6C 炭化物(Mo・W系) 約1500 窒化層(Robust公称) 1880 白アルミナ砥石 約2100 WC 炭化物(超硬の主成分) 約2400 VC 炭化物(バナジウム) 約2800 CBN 砥粒 約4500 この線より右の炭化物は、アルミナ砥石では切れません
灰茶色が刃物側の成分、青系が砥粒です。数値は文献による幅があり、あくまで目安ですが、大小関係は変わりません。

アルミナ砥石でPM鋼を研ぐと、母材だけが削れて、硬いバナジウム炭化物は削られずに磨かれてしまいます。周りの支えを失った炭化物は、やがてぽろりと脱落する。結果として、せっかくの耐摩耗性が活きないまま刃先が崩れていきます。

粗い番手ならそこまで問題になりませんが、細かい番手になるほど、この差が効いてきます。仕上げの刃をつけようとするほど、アルミナでは届かなくなるということです。

CBN(立方晶窒化ホウ素)は約4500HVで、すべての炭化物を上回ります。PM鋼の工具を買うなら、CBNホイールもセットで考えてください。これは好みの問題ではなく、性能を出せるかどうかの問題です。

では、PM鋼以外にCBNは不要か

ここは誤解しやすいところですが、上のグラフが答えているのは「アルミナで削れるか、削れないか」という話であって、「どちらの砥石が良いか」という問いの答えではありません。

結論を言えば、PM鋼以外でもCBNは強くおすすめします。ただし理由は炭化物ではなく、別のところにあります。

1. 硬い鋼ほど、研削に時間がかかり、熱が入る。M42は硬いぶん、同じ形を出すのに時間がかかります。アルミナ砥石は発熱が大きいので、その時間ぶんだけ熱が刃先に蓄積する。CBNは削れる速度が速く、熱も逃げやすい。硬い鋼ほど、砥石の性能差が結果に出ます。

2. 砥石が痩せると、ジグの設定が無効になる。研ぎを数値で記録して再現する運用は、砥石径が変わらないことが前提です。アルミナ砥石はドレッシングのたびに小さくなるので、記録した数値が少しずつズレていきます。これは鋼材とは無関係に、CBNを選ぶ十分な理由になります。

3. 目詰まりが起きない。硬い鋼をアルミナで削り続けると砥石表面が滑らかになり、切れずに擦るだけの状態になります。そこからさらに熱が入る。CBNではこれが起きません。

4. 炭化物の話も、実はゼロではない。砥粒は対象より「硬ければいい」のではなく、十分に硬くないと効率よく切れません(目安として1.2倍程度とされます)。この視点でグラフを見直すと、こうなります。

対象硬さ白アルミナ(約2100HV)との比
M6C炭化物
(M2・M42の主役)
約1500HV約1.4倍 ― 問題なく切れます
窒化層1880HV約1.1倍 ― かなり際どい
VC炭化物
(バナジウム)
約2800HV0.75倍 ― 切れません

窒化処理された刃物は、ちょうど境界線上にあります。メーカーが「通常の砥石でも研げる」としているのは事実でしょうが、それは窒化層が0.05mmと薄いからで、余裕があるわけではありません。

余談ですが、バナジウムはM2(約2%)のほうがM42(約1.15%)より多く含まれます。絶対量が少ないので実害は小さいものの、「M2ならアルミナで十分」という単純な話でもありません。

まとめると

粉末冶金鋼 ― CBNは必須。アルミナでは性能を引き出せません。
M2・M42・クライオ・窒化 ― CBNを強く推奨。理由は炭化物ではなく、発熱・砥石径の安定・研削速度です。
超硬インサート ― CBNではなくダイヤモンド。

超硬インサートにダイヤモンドを使うのは、CBNでは超硬に対して硬さの余裕が足りないためです。逆にダイヤモンドは鉄系材料を高温で削ると化学反応を起こすので、鋼の研削には向きません。そのため、ダイヤモンドシャープナーなどは手作業で使う前提です。これらの知識を正しく持つことで、相手にあった研ぎ方を理解しておくとよいでしょう。

選び方のまとめ

ここまでを、選び方に落とし込みます。

あなたの状況おすすめ理由
これから始める M2 研ぎの練習で必ず鋼材を減らします。安く、研ぎやすく、失敗が安い。この段階なら無処理でも構いません
鋭さを最優先したい
(仕上げ・スキュー)
M2+クライオ 鋭さの上限を落とさずに刃持ちだけを底上げできる。スキューは窒化が効かないので、この組み合わせが理にかなう
研ぎ場に行く回数を
減らしたい
M42+クライオ 硬さと刃持ちを一段上げつつ、鋭さの犠牲は小さい。ただし研ぎ直しには時間がかかる
ガウジ・スクレイパーを
長く切らせたい
M2+窒化 片面研ぎの形状なら、刃先に硬い層が残り続ける。摩擦低減で切りくずの離れもよい。芯はM2なので粘りも保たれる
荒取りが多い
スクレイパーを多用
粉末冶金鋼 摩耗との勝負になる場面で差が出る。ただしCBNホイールが前提。生木の荒取り中心なら投資回収は難しい
研ぎ場がまだない
硬い材が多い
超硬(替刃式) 研がずに使える。ただし仕上げは別の道具に持ち替える前提で
レジン・アクリルを
削る
超硬(替刃式) 樹脂は研磨性が高く、ハイス鋼の刃先をすぐ鈍らせます。ここは超硬の独壇場です
正直に言うと

鋼材や処理を上げても、削れる面がきれいになるわけではありません。面の善し悪しを決めているのは、刃の鋭さと当て方であって、鋼種ではないからです。切れないM42より、研ぎたてのM2のほうがはるかにきれいに削れます。

グレードが効いてくるのは、「その鋭さがどれだけ長く続くか」という一点だけです。裏を返せば、研ぎがすぐできる環境さえあれば、M2で十分に良い仕事ができます。高い刃物を買う前に研ぎの環境を整えるほうが、結果的に近道になることが多いはずです。

あわせて読みたい ボウルガウジの研ぎ角度と選び方 ― 仕上がりを左右する重要な一本 鋼材と並んで仕上がりを左右するのが研ぎ角度です。「切れ味」と「届く範囲」のトレードオフを、器の断面図で解説しています。

まとめ

  • 刃物鋼は母材+炭化物の複合材。刃持ちは炭化物の硬さと量、鋭さの限界は炭化物の大きさで決まります
  • 刃物は「鋼材」と「処理」の2軸でできています。M2かM42かと、クライオか窒化かは、別の話です
  • M2――世界標準。研ぎやすく、最も鋭くできる
  • M42――コバルトが母材を強化。炭化物を増やさずに刃持ちを上げるため、鋭さの犠牲が小さい。ただし研ぎ直しに時間がかかり、靭性はM2より落ちます
  • 粉末冶金――炭化物を細かく均一にする製法。刃持ちは数倍だが、鋭さの上限は下がる
  • 超硬――鋼ではなく焼結合金。替刃式でスクレイプする道具。レジン・アクリルには最適
  • クライオ処理――芯まで効き、鋭さを犠牲にしない。どんな形状の刃物にも有効
  • 窒化処理――表面0.05mmが1880HVに。片面だけを研ぐガウジ・スクレイパーでは刃先に残り続けるが、スキューには効きません
  • 処理の記載がなければ無処理と考えるのが妥当。そして鋼材と処理だけは、買ったあとに変えられません
  • PM鋼にはCBNが必須。それ以外の鋼材も、発熱・砥石径の安定・研削速度の点でCBNを強く推奨します

ツバキラボでは、木工旋盤のレッスンで研ぎの実習も行っています。M2やM42の研ぎや研いだ直後の切れ味を確かめる内容もあります。

参考にした資料

  • Robust Tools「Turning Tools ― Turner’s Edge」窒化処理の技術解説
  • Crown Hand Tools「Cryogenic Woodturning Tools」
  • Craft Supplies USA「Comparing Woodturning Tool Steels」
  • Cindy Drozda「Tool Steel」
  • Knife Steel Nerds「CPM 10V Steel ― History, Properties, and How to Heat Treat」
  • Crucible Industries「CPM 10V(AISI A11)データシート」/Erasteel「ASP 2030・2060 データシート」
  • American Association of Woodturners フォーラム各スレッド(M2 vs M42/Turning Tool Steels/Pros & Cons for carbide tools ほか)
  • 各種超硬合金メーカーの技術資料(WC粒径・コバルト量と硬さの関係)