木工旋盤を購入したいという多くの人がまず検討するのがミニサイズ、またはミディサイズと呼ばれるクラスの木工旋盤になります。海外ではミニとかミディとかいえばピンとくるのですが、日本だとミディ??ってなりますよね。ミニとフルの中間なわけですが、少しややこしいのでまとめて卓上サイズとさせていただきます。
では、その卓上サイズでおすすめな木工旋盤はどういったものでしょうか?ここではあくまでも現在日本国内で購入できる機種を紹介させていただきます。
ミニ?ミディ?何がちがうのでしょうか?
さて、冒頭でも触れましたが、卓上サイズといっても、大きく分けて2つに分類できます。ミニサイズとミディサイズです。
| 種類 | 適した作品 | モーターパワー(HP/馬力) | 重量 | 主な電源 | 価格 |
| ミニサイズ(小型) | 小物 / ペン | 1/2HP~ 3/4HP | 30kg~ | 家庭用100V | 5~6万円程度 |
| ミディサイズ(中型) | 小物~300mm程度までの食器類など | 3/4HP~1HP | 50kg程度 | 家庭用100V / 単相200V | 10万円~30万円 |
おおむね上の表のようにそれぞれのスペックを分けることができます。やはり大きく違う点としては、モーターのパワーです。最近のミディサイズの主流は1馬力ですが、ミニサイズではその半分ほどのパワーしかありません。サイズ感としては、若干ミニが小さいかなと感じる程度で、重量も多少軽いという感じです。ですので、よっぽど予算がないという方、またはペンや引き出しのつまみなど「小物しか絶対に挽きません」と断言できる方以外は、ミディサイズを購入されることをお勧めします。
大きいのはできないけど、だいたいこなせるのがミディサイズ
日本を代表するウッドターナーのひとり故・川口康さんの本「ア ブック アバウト ウッドターニング」に、ミディサイズについて次のように書かれています。
ミディサイズの木工旋盤を軽自動車に例えてはなすことがあります。ミニサイズは原動機付自転車といったところでしょう。ミディサイズの排気量は660㏄だけど高速道路に入れるし、流れに沿って走れるし、時々なら長距離も大丈夫。
川口康 ア ブック アバウト ウッドターニング P15
~中略~
つまり、馬力は小さめだけど普通にウッドターニングできて、時々なら少し大きいのにも挑戦できそうなミディサイズの選択は、置く場所や予算なども含めて考えてもハードルがそれほど高くないのが人気の理由なのでしょう。
「軽自動車」に例えるのがわかりやすい!
もちろんミディサイズには限度がありますので、大きなものや重いものを回すことはできませんが、小物から30cm程度のお皿など、 ひととおりこなせるというのがいいところ。大きなものを置けない、という住宅事情も相まって、人気があるということですね。
ミディサイズは、だいたいどれも10~15万円
さて、多くの人が気になるのがやはり価格です。多くのミディサイズは10万~15万円の価格帯で販売されています。ですので、まずは、ここが一つの目安となるでしょう。
もちろんメーカーによっては、ミディサイズであっても40万円程度のものもあります。これはぼったくりではなく、その価格に見合った素材や部品をつかって製造されているので、とてもクオリティが高いわけです。
ですので、安易に価格だけで決めつけるのではなく、自身がどの程度のものを求めているのか、または木工旋盤をこれからどれくらいやっていくのか、など総合的に判断して正しいものを選ぶと良いかと思います。
ミディサイズ購入で注意すべき点
日本だけでなく海外を見ても一番売れるミディサイズ。よって、いかに価格を抑えながらも、より高スペックのものを、と各メーカーがしのぎを削り開発しているゾーンですから、機種も豊富にあります。
逆によく売れるゾーンであるからこそ、注意すべき点もあります。
国内販売が安定していない?
まずは、日本国内での販売が安定していない?という点です。これまで販売されていたものが気づいたらもう売られていない、ということがあります。販売店によって、扱うブランドが変更になることもあり、注意が必要です。
実際、私が保有している機種でも、発売当初に各誌レビューでミディサイズでは最高評価であったDelta 46-460は現在日本では販売店がありませんし、JET 1221VSもなくなりました。この2機種は個人的におすすめできるものだったのですが。。。
販売がなくなるというのは、その後のアフタサポートもいずれなくなるということです。ある程度販売店で消耗品やパーツをストックしているかと思いますが、将来的には不安要素となります。
結局中身は一緒?
ミディサイズはよく売れるゾーンであるからこそ各メーカーからたくさんのモデルが販売されているのですが、スマートフォンのように正直スペックは飽和状態。ですから、見た目は違っても、だいたいできることは一緒、という言い方もできるわけです。
- 1馬力モーター
- 回転直径 30cm
- 無段変速
基本スペックは飽和状態ですので、最近は、ちょっとした改良の積み重ねで使い勝手をよくしたモデルが販売されています。
【2026年】国内で購入可能な卓上サイズ木工旋盤
前置きが長くなってしまいましたが、現在国内で購入可能な卓上サイズ木工旋盤です。記載しているスペックは各販売店やメーカーが公表しているものになります。画像も各販売店からお借りしています(もしNGの場合はご連絡ください)
RIKON 木工旋盤 ライコンライト (70‐100)

| 電源 | 単相100V (50/60Hz) |
| モーター | 1/2HP |
| 最大回転直径 | 約300mm |
| センター間距離 | 約400mm |
| 回転スピード | 約430、810、1230、1810、2670、3900RPM (ベルト掛け替えによる6段変速) |
| 主軸サイズ | 1インチ×8tpi |
| サイズ | 幅約807×奥行約292×高さ約457mm |
| 重量 | 約40.2kg |
| スピード調整 | ベルト掛替 |
| スピードメーター | なし |
| 正逆回転 | なし |
| 価格 | ¥84,700(税込) |
| 販売 | オフコーポレーション |
ミニサイズの木工旋盤。最大回転直径は300mmであるものの1/2馬力のモーターでかつ40kgという重量を考えると小物専用といったところ。写真を見ると、ボディの肉厚の薄さが非常に気になります。またバリアブルスピード(無段変速)もないため、回転速度を変更するにはベルトの掛替えを毎回しなければいけません。大きなものを挽かず、スピードの変更の手間も厭わない方には、価格も安くいいのではないでしょうか。
ピーウッド 木工旋盤 PWL-450VDA

| 電源 | 単相100V (50/60Hz) |
| モーター | 3/4HP(550W)DCモーター |
| 最大回転直径 | 約300mm(長物の場合は最大230mm) |
| センター間距離 | 約450mm(延長ベッド使用時 最大1000mm) |
| 回転スピード | 低速 約450〜約1600回/分 高速 約950〜約3400回/分 |
| 主軸サイズ | 1インチ×8tpi |
| テーパー | ヘッドストック・テールストックともMT2 |
| サイズ | 幅950mm×奥行350mm×高さ440mm |
| 重量 | 約40kg |
| スピード調整 | 2段ベルト掛替/バリアブルスピード |
| スピードメーター | あり(デジタル回転数表示) |
| 正逆回転 | なし(オプションで対応可) |
| 価格 | ¥88,000(税込) |
| 販売 | P-TOOLS.COM |
ミニサイズの木工旋盤。DCモーターによる無段変速のバリアブルスピードとデジタル回転数表示がついており、この価格帯としては装備が充実しています。前モデルPWL-450VDからの大きな変更は本体の重量とサイズ。33kgから40kgへ、ベッド長も820mmから950mmへと大きくなりました。軽さゆえに振動が出やすかった弱点が改善されています。なお、メーカーの仕様表には「長物の場合は最大230mm」と明記されました。最大回転直径300mmは、あくまで短い材を挽く場合の数値と考えたほうがよさそうです。ペンやバチ、小物など小さいものを挽く分には、勝手が良い機種ではないでしょうか。
RIKON 木工旋盤 ライコンミドル2 (70‐220VSR)

| 電源 | 単相100V (50/60Hz) |
| モーター | 1HP |
| 最大回転直径 | 304mm |
| センター間距離 | 419mm (延長ベッド 760mm) |
| 回転スピード | L位置(低速)約 250-750rpm M位置(中速)約 550-1650rpm H位置(高速)約 1300-3850rpm |
| 主軸サイズ | 1インチ×8tpi |
| サイズ | 幅約1080×奥行約310×高さ約440mm |
| 重量 | 約52kg |
| スピード調整 | ベルト掛替 /バリアブルスピード |
| スピードメーター | あり |
| 正逆回転 | あり |
| 価格 | ¥139,920(税込) |
| 販売 | オフコーポレーション |
ミディサイズの木工旋盤。1馬力モーター、最大回転直径300mm、バリアブルスピード、スピードメーター、正逆回転といった現状のミディサイズの標準的なスペックで、バランスの取れた機種です。先代モデルの人気を引き継ぎ、この後継モデルはスイッチボックスがマグネット式となり好きなところに取り付けられるようになり、クイルも90mmの移動距離、ツールレストも形状がアップデートされ使い勝手が向上しています。生木などの重たいものを回さないのであれば、価格も税込みで12万円を切っており、多くの人にとって第1候補になるのではないでしょうか。
ACUTUS 1420VDA

| 電源 | 単相100V (50/60Hz) |
| モーター | 1HP(750W) |
| 最大回転直径 | 約350mm |
| センター間距離 | 約510mm |
| 回転スピード | 低速250-750/中速550-1650/高速1300-3850 |
| 主軸サイズ | 1インチ×8tpi |
| サイズ | 幅約1035×奥行約305×高さ約450mm |
| 重量 | 約52kg |
| スピード調整 | ベルト掛替/バリアブルスピード |
| スピードメーター | あり |
| 正逆回転 | あり |
| 価格 | ¥110,000 (税込) |
| 販売 | NAKAJIMA TOOLS |
NAKAJIMA TOOLSのオリジナルブランド「ACUTUS」のミディサイズの木工旋盤。日本国内で販売しているミディサイズの中では唯一最大回転直径が350mm(14インチ)で、一回り大きなサイズを回せます。そのほかの仕様もしっかりこのクラスの標準的なスペックで構成しています。NAKAJIMA TOOLSでは、そのほか木工旋盤を始めるにあたって必要なツールをまとめてセット販売されているので、悩むことなくまず一通りそろえたい、という初心者の方は便利でしょう。
しかし、実機レビューではパワー不足で回転が止まってしまったり、電気系統の接続の問題なのかスイッチを入れても起動しない、正回転/逆回転の切り替えスイッチが機能しないといったことも報告されています。高スペックの割に、価格設定が低いところは注意が必要です。
LAGUNA REVO 1216

| 電源 | 単相100V (50/60Hz) |
| モーター | 1HP |
| 最大回転直径 | 約315mm |
| センター間距離 | 約383mm (延長ベッド 648mm) |
| 回転スピード | (低速)50‒525rpm (中速)325‒1750rpm (高速)650‒3500rpm |
| 主軸サイズ | 1インチ×8tpi |
| サイズ | 長さ747mm×奥行き226mm×高さ442mm |
| 重量 | 約54kg |
| スピード調整 | ベルト掛替/バリアブルスピード |
| スピードメーター | あり |
| 正逆回転 | あり |
| 価格 | ¥159,500 (税込) |
| 販売 | オフコーポレーション |
ミディサイズの木工旋盤。2018年に発売開始された比較的新しい機種。それだけあって、気の利いた操作性や拡張性など他メーカーには見られない工夫が多いです。「P.W.M.(=Pulse Width Modulation)」という制御システムを採用しており、低中速域のトルクに期待できそうです。そのほかスペック的には、一般的なミディサイズの木工旋盤に準じていますので、そのあたりを、15万円を超える価格で納得できるかどうかです。オプションの33kgあるスタンドは魅力的ですね。
VICMARC VL150 V3

| 電源 | 単相200V |
| モーター | 1HP(0.75kW)/富士電機製インバーター搭載 |
| 最大回転直径 | 300mm (オプションのアウトボードターニングキット装着時 最大500mm) |
| センター間距離 | 350mm |
| 回転スピード | 3速プーリー切替+EVS(電子無段変速) 15〜3,460RPM |
| 主軸サイズ | 1″ × 8tpi |
| 主軸テーパー | No.2MT(ヘッドストック・テールストック) |
| サイズ | 長さ750mm×奥行き350mm×高さ500mm |
| 重量 | 73kg |
| スピード調整 | プーリー切替/EVS無段変速 |
| スピードメーター | あり(RPM Read Out搭載) |
| 正逆回転 | あり |
| 参考価格 | ¥550,000
(税込・本体セット) ¥635,800(税込・スタンドセット) ※為替等により変更になることがございます。 |
| 販売 | ツバキラボ |
世界の著名なウッドターナーが絶大な信頼を寄せるVICMARC。ミディサイズであるVL150 V3の日本仕様はコンパクトながら上位機種譲りの機能を継承した進化版です。
ほかのミディサイズに比べて価格が50万円前後と抜けている理由はいくつかあります。
1.耐久性の高いテーパーローラーベアリングや富士電機製インバーターを採用。
2.高い加工精度を維持し続ける日本製大型NC工作機械によって製造。
3.定盤とテールストックを1台ずつ調整。クイルのわずかなガタつきをなくす細工が施され、ぶれなくスムーズに動きます。
4.RPM表示ディスプレイ。
5.オプションのアウトボードターニングキットを取り付けることで最大直径500mmまでの作品が制作できます。延長ベッドを取り付ければ、850mmまでの長物にも対応。
とにかく絶対間違いのないものを選びたい、長く使える一台が欲しいという方はぜひ。
どれを選ぶ?
国内で購入可能な機種を上げてみましたが、いかがでしょうか?かつては、ほかにもお勧めできる魅力的な機種もありましたが、残念ながら現在販売されていません。
海外のマーケットを見ると他にもさまざまな機種がありますので、個人輸入という手段もありますが、何かあったときの保証はなく、自己責任です。
価格帯も幅広く一概にどれがいいというのは難しいです。下の記事も参考に、ご自身の制作物に一番合うものをじっくり検討してもらえるといいかと思います。


