直径30cmを超える大皿。厚みのある大径ボウル。こうした作品の保持は、VM100など標準サイズのチャックの守備範囲を超えています。
VICMARC VM120 は、Vicmarc の大型機向けチャック。14インチ(約360mm)以上の中型〜大型旋盤に対応し、大きな作品を作るための一台として設計されています。
VM100 と VM120、どちらを選ぶか
当店では VM100 と VM120 の2サイズを扱っています。判断の軸は、お使いの旋盤の振り(センター高)と、主に挽く作品の大きさです。
| VM100 | VM120 | |
|---|---|---|
| 対応旋盤 | 卓上旋盤 | 14インチ(約360mm)以上の中型・大型旋盤 |
| はさむ | 31 〜 72mm(幅41mm) | 46 〜 96mm(幅50mm) |
| つっぱり | 45 〜 86mm(幅41mm) | 66 〜 116mm(幅50mm) |
| 大径ジョー | ― | 148mm / 223mm が装着可能 |
| 向く作品 | 直径300mm程度までのボウル・器全般 | 大皿・大径ボウル |
VM120 は標準ジョーの可動幅そのものが 50mm と広く、そのうえ 148mm・223mm の大径ジョーまで装着できます。より大きな径を、より少ないジョー交換で。これが VM120 の性格です。
目安は直径300mm。これを超える作品を日常的に挽くなら VM120、そうでなければ VM100 で過不足ありません。旋盤の振りが足りない状態で大型チャックを付けても性能を活かせないため、まずはお使いの機種をご確認ください。
特徴
1. 可動域 50mm。しかも大径作品も標準ジョーで対応
VM120 の標準ジョーの可動域は次のとおりです。
- はさむ(クランプ):直径 46mm 〜 96mm
- つっぱり(エキスパンション):直径 66mm 〜 116mm
いずれも 50mm の可動幅。一般的なチャックの可動幅はこの半分程度で、径が変わるたびにジョーを付け替える必要が出てきます。
しかも VM120 の場合、この幅が大径側にあります。つっぱりで最大 116mm まで対応するため、大皿の高台をゆったり取る設計にも、標準ジョーのまま応えられます。ほぞの径が多少ばらついても、同じジョーのまま作業を続けられる。テンポが途切れません。
2. 大径ジョーが装着できる
VM120 を選ぶもうひとつの、そして決定的な理由がこれです。
大径ワークを小さなジョーで掴むと、掴み代に対する張り出しが大きくなり、刃物が食い込んだ瞬間の力がほぞの根元に集中します。ほぞが折れる、つかみ穴(リセス)が割れる。大物を挽く方なら経験がある方もいると思います。
VM120 には 148mm、223mm のダブテールジョーが用意されており、支持円そのものを大きくすることでこの問題を根本から解消します。223mm なら直径27cm近い円で作品を受け止める計算です。
広いジョー面は小型フェイスプレートのようにも働き、ワークが首を振る動きを抑えます。薄挽きの大皿でビビリを抑制する効果は絶大です。
3. バツグンの精度
Vicmarc のジョーは、一体の状態で削り出したうえで4つに切り分け、1〜4の連番を刻印して出荷されます。組み合わせが固定されたマッチドセットであるため、組み付けたときに真円が出る。
この精度は、保持径が大きいほど効いてきます。わずかな振れも外周では拡大されるためです。大径ジョーを使う VM120 だからこそ、加工精度が仕上がりに直結します。
そしてスクロール部の精度が高いため、この状態が長く保たれます。チャックは消耗品ではなく、正しく手入れをすれば何十年も使える道具です。
4. ジョーを替えれば、用途が広がる
チャック本体は一度きりの買い物ですが、ジョーは後から追加できます。大径ワークの保持、掴み跡を残したくない場面、特殊な形状。作風が変わっていくのに合わせて、少しずつ増やしていくのが一般的な使い方です。
こんな方に
- 直径30cmを超える大皿・大径ボウルを主力にする方
- 14インチ(約360mm)以上の旋盤をお使いの方
- 大物の保持に不安を感じたことがある方
- 薄挽きの大皿でビビリを抑えたい方
- ジョーの付け替え回数を減らしたい方
- 長く使える道具に投資したい方
セット内容
チャック本体
スタンダードジョー
ウッドスクリュー
10mm Tハンドル レンチ
4mm Tハンドルレンチ
インサート
Vicmarc について
オーストラリア・クイーンズランドを拠点に、1984年から木工旋盤とアクセサリーを製造してきた家族経営のメーカー。素材の選定から最新のCNC加工機による高精度加工まで一貫して自社で行い、世界中のプロターナーに支持されています。
ツバキラボ代表の和田は、オーストラリア・ブリスベンにある Vicmarc の工場を実際に訪問しました。そこで見たのは、古き良き機械と最新鋭の機械の両方を使いこなしながら、常により良いものづくりを目指す会社の姿でした。クオリティの高いものを作るために日本製の工作機械を導入しています。そのクラフトマンシップをぜひお読みください。

よくある質問
インサートは別売ですか?
本商品にはインサートを含んでいます。お持ちの旋盤の主軸径を確かめたうえ、該当するインサートを選択してください。
後からジョーを買い足せますか?
さまざまなジョーを取り揃えています。
こちらからご覧ください。https://tools.tsubakilab.jp/product-category/chuck/jaw/
他社のジョーは使えますか?
Vicmarc社のジョーのみ対応しています。
メンテナンスはどのくらいの頻度で行うべきですか?
メンテナンスは1年に1度は行うといいでしょう。
またスクロールの動きが鈍くなってきたなど、体感で感じるようになった場合は、早急にメンテナンスをしたほうが良いです。
チャックのメンテナンス方法はこちらのYoutube動画で解説しています。

gorioyaji (承認) –
届いたときの重さにVM100とは違う重量感に安心と期待が膨らみました。VL240にVM100のチャックを使用していたのですが、大径の器を作るのにとVM120と相応のボールジョーを購入しました。びっくりしたのは重量だけでなく、それぞれの6角レンチのサイズが変わっていること。こうゆうところも安全に信頼を持てるメーカーだと思います。これからの作品作りが楽しみです。
TSUBAKI LAB TOOLs –
gorioyaji様
いつもツバキラボツールズをご利用頂き、また大変嬉しいレビューコメントを頂きありがとうございます。
お手元のVM100チャックと見比べて下さったことに、とても感動しております。
VM100チャックのものを流用して単純に大きさサイズを変更しているのではなく、その重量、固定すべき材の大きさなどを想定して、各パーツ、部品が設計されております。
2025年9月、VICMARC社に工場見学に出向きましたが、最新鋭のMazak(ヤマザキマザック)の複合加工機を使って作られるパーツには、確かな信頼と品質があると確信致しました。
gorioyaji様のお手元で、本チャックが末永く活躍できますことを願っております。